たすろぐ

タスク管理とログの日々

あれは「嫉妬マネジメント」だったのだと気づいた話

オンラインゲーム(MMORPG)で遊んでいた頃のお話です。


オンラインゲームの中ではいわゆる「レア堀」と呼ばれる、ドロップ(入手)率が低くとても強力なアイテムを手に入れるため、同じ敵を何度も繰り返し倒すというプレイがあります。

「じゃあ、ドロップ率を上げてみんなが手に入れやすくすればいいじゃん?」

と思われるかもしれませんが。

「誰も持っていない珍しいアイテムを自分だけが持っていたい!」

という気持ちもありまして。
出ないね出ないねと言いながら、友人と一緒にそのゲームを遊んでおりました。



ある日。
よく一緒に遊んでいる友人が見慣れないアイテムを持っていました。

「それ、手に入れたの?」

と私が聞くと

「偶然、拾った」

と友人は答えました。
友人は続けて言います。

「実は結構前に手に入れたのだけど。黙っていたんだよね」
あなたが怒るかもしれない、と思って」


私はそれぐらい(=友人が珍しいアイテムを持っている)では怒らないのですが。
それよりも「そんなしょうもないことで怒るような、器の小さい人間だと思われていた」ことに対して、はるかに傷つきました。


なんで友人は黙っていたのだろう? と私は不思議に思いました。
どうしても欲しいアイテムだったらきっと嬉しかっただろうに。
だったら一緒に喜びたかったのに。お祝いしたかったのに。

それから何年かして、この記事を読んだときに気づいたのです。
「あれは、『嫉妬マネジメント』だったのだ」と。

https://zunzun428blog.hatenablog.com/entry/2019/11/06/215152zunzun428blog.hatenablog.com


対象は「学歴」では無かったのですが。

人は、相手に劣等感を覚えた時に嫉妬をします。
つまりは、「自分が持っていないものを持っている人」に出会った時、嫉妬を起こすわけです。
自分が「持っていない」 ということに「劣等感」を「覚えている」と認めたくないので、人は大体において自分の嫉妬心に対して無自覚になるわけです。

なーるーほーどー。
まさに友人=自分が持っていないものを持っている人の状態だったわけですね。
私が「友人が持っていること」自体に気づいていなかったので嫉妬にはなりませんでした。
もし気づいていたら…?


友人は私の怒りを、不要な怒りを買わないように
レアなアイテムを手に入れた喜びを押し殺して、
私に接していたのでしょう。
「怒りを買う恐怖」が「手に入れた喜び」を上回ったのでしょう。

当時、レアなアイテムを手に入れたプレイヤーに対する怨嗟もありましたからね。
私が妬み嫉みをする人間だと思われていたのかもしれない。
だとしたら、寂しいことだけれども。


私は自身ははあまり気にしないけど、過ぎた幸運はあまり振りまかないほうがいいのかもしれないと思いつつ、友人の繊細さに驚いた一件でした。